合掌造りに囲炉裏はなくてはならないものです。 ここでは白川郷合掌造り民家園と合掌造り内部の様子を紹介します。 白川郷合掌造り内部の様子です。合掌造り民家園ではこのように昔のままの状態で民家が保存されています。 このうち9棟は県指定重要文化財です。 今回は内部にお邪魔して、撮影させてもらいました。 囲炉裏は合掌造りの建物にとっては命とも言うべきもので、欠かすことが出来ません。 その一番大きな理由は、木組みのみで出来た木造建築最大の欠点とも関係します。 木造建築は腐敗しやすいこととシロアリを代表として害虫に荒らされやすいという点が上げられます。 現在であれば防腐剤やシロアリ駆除の薬品を使うのでしょうが、そんなものの無かった当時から、 合掌集落では囲炉裏の火で建物をいぶすことによって乾燥させ、シロアリの害を防ぐと同時に木が腐るのを防いできました。 また囲炉裏の火は厳寒の豪雪地帯で暮らす人々にとってなくてはならない暖を取る手段です。 焚き火を室内に持ち込んだとされる囲炉裏は一見すると木造建築である合掌造りには 火の粉による火災の心配を増やすことにもなりますが、 さすがにそこは考えられていて、火アマと呼ばれる板が天井と暖炉に間にあって、火の粉が直接天井に上がるのを防いでいました。 囲炉裏によって暖められた空気と煙は自然と2階や屋根裏へと昇ってゆきます。 そして天井に至る全ての木々を煤で黒く染め、自然の防腐剤兼防虫効果を発揮するという理屈です。 昔の人々の暮らしの中から生まれた知恵には感心させられることが多いです。 また栃の実のぜんざいがあるのですが、この栃の実も食べるためには苦味である灰汁抜きをする必要があります。 それにこの囲炉裏の灰が非常に役に立っているわけです。 あと、木材は豊富に天然資源が周囲の山々には眠っていますし、 囲炉裏で使う薪は間伐材を利用しているそうです。 また合掌造りの構造は釘を一本も使わず、木を組み合わせて縄で縛るという方法を使っています これはものすごい雪の重みをやり過ごすためには欠かせないことだそうで、 釘を使わない建物自体が雪の重みを受け止めてたわみ、重みの負荷を分散してやり過ごすという仕組みになっているのだとか。 自然との共存、生活の知恵、そんなものが合掌の里にはいっぱい詰まっていると思いました。
白川郷 合掌造り民家園の囲炉裏傍にて
燃える囲炉裏の炎
囲炉裏の火起こし
白川郷囲炉裏の火アマ
撮影日2003年12月22日
